【第75回】ロータス博士のWinActor塾~DB接続(Access)準備編
実践が終わったからもうデータ一覧はおしまいと思ったじゃろ。
実はもうちょっとだけ続くんじゃ。
開幕から心を読まないでください。
タイトルがデータ一覧じゃないから、もうオサラバかと思ってました。
まあ、今回の内容は若干特殊じゃからな。
データ一覧の中のDB連携という機能を使うのじゃ。
また難しそうなのがきましたね・・・。
これも実際やってみると簡単パターンですか?
うーむ、どちらかと言うと準備が手間という印象じゃな。
今回Accessデータベースと連携するんじゃが
そのためにはドライバを入れたりといった環境構築がまず必要になるんじゃ。
あーなるほど。
カンキョーコーチクですね、わかります。
やりましょう!
(絶対わかっとらんな・・・)
とにかく、データ一覧でAccessデータベースと連携したい方は必見じゃ。
ではその方法を見ていこう。
ODBCデータソースを利用する
ODBCとは
WinActorでAccessデータベースと連携を行うためにはODBCデータソースを利用します。
ODBCとは、Open Database Connectivityの略で、アプリケーションがデータベースを操作するためにマイクロソフトが作った仕組みです。簡単に言うと、データベースとのやり取りをするための仲介をしてくれる部品です。
WinActorでデータベースに接続する際にはデータソース名を指定します。
試しにデータ一覧タブ画面で、DB接続のアイコンをクリックしてみましょう。
クリックすると次のようなプロパティ画面が開きます。
Accessでデータベースを作成し、ファイルに保存していたとして
そのファイルへのパスを指定するような項目はDB連携のプロパティにはありません。
必ずデータソース名とテーブル名で指定する必要があります。
ということはデータソース名とやらを用意する必要がありそうですね。
データソース名とはなんでしょうか。
ここで登場するのが、windowsに標準搭載されているODBCデータソースです。
ODBCデータソースを使用することで、任意のデータソース名を作成することができます。
そして、ここで作成したデータソース名とファイルを紐づけて登録することで、ODBCが接続の仲介をしてくれます。
とりあえずこのようなイメージを持っておけば大丈夫です。
ODBCドライバーの確認
どのデータソース名がどのファイルを指すのかはODBCデータソースアプリケーションから登録します。
今回使用するのはAccessデータベースですので、「.accdb」ファイルを指定して登録を行います。
しかし、こういったファイルを扱うためにはそれ専用のドライバーが必要になります。
まずは、自身の環境が.accdbファイルを扱えるのかどうかを確認してみましょう。
では一度ODBCデータソースを開いてみます。
スタートメニューを右クリックして「検索」を開き、「ODBC」と入力してみてください。
なんか2つ出てきましたけど・・・
64bit版と32bit版があるのじゃ。
WinActorが使えるのは32bit版じゃから「ODBC Data Sources (32-bit)」を選ぼう。
32bit版のODBCデータソースを起動すると、次のような画面が出ます。
この時点でプラットフォームが「N/A」と表示されていたら、ドライバーが無い状態です。
ドライバー一覧のほうでも確認してみましょう。
ドライバータブに移動してください。
この一覧の中に「*.accdb」の拡張子を扱えるドライバーが存在しない場合は
ドライバーをインストールする必要があります。
図の赤枠のドライバーがそれじゃな。
一度も使ったことがなければ当然インストールされていることはないじゃろう。
ということで、次はドライバーのインストールじゃ。
Access用のODBCドライバーをインストール
ODBCを利用しなければAccessとDB連携できないということがわかりましたので
早速、ODBCを使える状態にしていきましょう。
先ほど確認したドライバー一覧の中に「*.accdb」が無かった場合は下記のサイトからドライバーをダウンロードします。
・Official Microsoft Download Center(Microsoft Access データベース エンジン 2016 再頒布可能コンポーネント)
https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=54920
下の画面で「ダウンロード」をクリック
「accessdatabaseengine.exe」にチェックを入れ「次へ」をクリック
(末尾に_X64と付いているものは64bit用ドライバーなので不要)
ダウンロードができたら、ファイルを実行して指示に従いインストールしましょう。
インストールでエラーが出たら
ははは博士!大変です!
なにやらエラーのようなものが・・・。
焦るでない。
これはPCに入っているOffice製品が64bit版の場合に起きるエラーじゃ。
インストールされているOffice製品が64bit版だと、インストール時に次のようなポップアップが出ます。
この場合、32bit用のドライバーをインストールしようとするとエラーになります。
ポップアップが出たらOKをクリックして閉じましょう。
さらに、インストールに失敗した旨のポップアップが出ますので
こちらもOKをクリックして閉じます。
え?WinActorが扱えるのは32bit版のODBC。
でもOfficeが64bitだとインストールでエラー。
・・・これはもしかして詰みってこと!?
安心するのじゃ。
Office製品が64bitでも、32bitのODBCドライバーをインストールする方法がある。
やり方を説明しよう。
エラーが出た場合はコマンドプロンプトから実行することでインストールが可能です。
まず、コマンドプロンプトを開きます。
スタートメニューから検索するか、ファイル名を指定して実行から「cmd」を入力すると起動できます。
コマンドプロンプトが起動できたら、
先ほどダウンロードしたドライバーのファイルパス + 半角スペース + /quiet
となるよう入力します。
例:
C:\Users\winactor\Downloads\accessdatabaseengine.exe /quiet
※塗りつぶしの部分はユーザ名です
入力できたらエンターキーでコマンドを実行しましょう。
実行して少し待つと、またコマンドプロンプトが入力できる状態に戻ります。
これでインストール完了です。特にインストール用のウィンドウなどは出ませんのでエラーにならなければ成功です。
ドライバーがインストールされていることを確認する
では、再度ODBCデータソース(32bit)を起動して確認してみましょう。
起動すると、インストール前と違うことがわかります。
ユーザーDSNタブでは、「N/A」となっていたプラットフォーム欄にしっかりと「32ビット」と表示されています。
これは32ビットのドライバーがあることを示しています。
ドライバータブでも「*.accdb」のファイルを扱えるドライバーが増えています。
これでDB連携をするための準備が整ったのう。
次回は実際にODBCにデータソースを追加して使ってみるぞ。
最初に博士が言ってた通り、準備が難しかったですね・・・。
コマンドでインストールとか、だいたいみんなここで匙を投げそう。
64bit環境の人はちょっと苦労するのう。じゃがこれで解決じゃ。
あとはもう使うだけじゃ。次回で使い方を学んで、データ一覧は制覇じゃな!
お!これが終わればデータ一覧マスターってことですね?
よーし、次も頑張ろう!では皆さん、また次回!
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