【第51回】ロータス博士のWinActor塾~ファイル保存の小技
今日はちょっと趣向を変えて、現場で使える技を紹介しよう。
といっても小技じゃからすぐに終わってしまうかも知れんが。
小技!いいですね!
どんなものを教えてくれるんですか?
ファイル保存の方法についてじゃ。
WinActorはいろいろな操作ができるからのう。結果は同じでも
ロボットの動作がシナリオの製作者によって異なるのじゃ。
特に「名前を付けて保存」を掘り下げていこうと思う。
あのダイアログの操作は人によって作りが分かれそうですね。
どんなやり方があるかという紹介と
一番オススメの方法を教えるぞ!
名前を付けて保存ダイアログとは
名前を付けて保存、誰しも触ったことがあるウィンドウではないでしょうか。
新規作成したファイルを保存したり、既存のファイルを編集し、別名で保存する場合にもよく使います。
今回は例として「メモ帳」のアプリケーションを使って実践します。
早速メモ帳を準備して、一緒に見てみましょう。
メモ帳を開いたら、上部のメニューから「名前を付けて保存」を選択しましょう。
これが「名前を付けて保存」ダイアログです。
これはWindowsの機能として標準搭載されているダイアログで、メモ帳だけでなく
他のあらゆるアプリケーションで使用されています。
何もしていなければ「ドキュメント」フォルダが表示された状態がデフォルトとなりますが、
一度保存したあとに同じ操作をすると、前回保存したフォルダが表示された状態でダイアログが開きます。
まあこれは馴染みのあるものじゃと思う。
問題はこれをWinActorでどう操作するかじゃな。
ぱっと思いつく操作ではどんなものがあるかの?
うーん、やっぱり画像マッチングですかね。
普段自分で操作している通りにやろうとしたら、
フォルダをクリックして目的の場所に行くので。
画像マッチングを使う
画像マッチングの使い方はこちらの記事をご参照下さい。
ダイアログに対してクリック操作を行うのであれば、画像マッチングがすぐに思いつく方法です。
この場合は2回目以降の保存でも毎回同じ操作でフォルダを辿れるように作るのが良いでしょう。
一番簡単なのは、Cドライブ(C以外でも可)から辿る方法です。
このようにして必ずCドライブからフォルダを辿っていけば
表示されたダイアログが最初にどのフォルダを表示していても同じ操作で目的のフォルダが開けます。
ファイル名を入力したい場合は次のような形で、ファイル名入力欄にカーソルを持っていきます。
僕が最初に思い浮かんだのはこんな感じですね。
ふむふむ、悪くはない。ワシもこんな風に作っている人を見たことがある。
じゃが、この方法は全くオススメできないやり方なのじゃ。
ここまで説明させてしまって申し訳ないが、名前を付けて保存には
もっと簡単なやり方がある。
あ、やっぱりそうですか・・・。
なんとなくそんな気はしてました。
フォルダが深くなるとマッチングでクリックも大変ですからね。
うむ。安定性の向上という意味でも画像マッチングは避けたいところじゃな。
ではオススメの方法を教えよう。今回はこれだけマスターしてもらえればOKじゃ!
名前を付けて保存の小技
画像マッチングを使わずに保存する
結論から言うと、画像マッチングは全く必要ないのじゃ。
実は、ファイル名を入力するところにフルパスを入れるだけで
フォルダの移動をしなくてもそのフォルダ内に保存されるのじゃよ。
え!そんなばかな!
ファイル名ってファイル名以外も入れちゃっていいんですか!?
入れちゃっていいのじゃ!
これはWinActorとすこぶる相性が良い。試してみよう。
先ほど開いたテキストファイルを C:\WinActor塾\ファイル格納先 に保存してみます。
※フォルダはあらかじめ用意しておきましょう
ファイル名は「テスト.txt」で保存します。
この場合のフルパスは C:\WinActor塾\ファイル格納先\テスト.txt となりますね。
ダイアログ上での表示は「ドキュメント」フォルダが参照されていますが
フルパスを入力して保存すると
このように、パスで指定された場所に保存することができます。
ウワ!本当だ!
こんなことができるなら「ファイル名」の横に小さく
フルパスでもいけますって書いてて欲しいですね・・・。
これは便利じゃろう。
知らなかった人はこれを機に使ってみて欲しい。革命じゃ!
エミュレーションとの組み合わせ
あれ?でも博士、ファイル名の入力欄を選択するために
結局画像マッチングが必要なんじゃないですか?
ふむ、ちょっとここをみてくれ。
なんですかこれ?N?
このような表記をよく見たことがあると思うが、これはショートカットキーの表示なのじゃ。
大抵はAltキーと組み合わせることで使えるぞ。
ファイル名は「Alt + N」キーを押すと選択状態にできるのじゃ。
なんと・・・これは革命の嵐!
博士はWinActor界のナポレオンですね。
ちょっと何言ってるかわからんが
知っている人は知っている、まさに「小技」じゃな。
じゃがこの技は本当に便利じゃから、是非覚えて欲しい!
キー入力に使用するエミュレーションについてはこちらの記事で詳細に解説しています
一連の操作まとめ
ではこの小技を実際にシナリオ上で再現しよう。
変数はこのように準備すればOKじゃ。
フォルダはあらかじめ作成しておくのじゃぞ。
※メモ帳の起動~名前を付けて保存までの操作は割愛しています
①フルパスの作成
まずはフォルダパスとファイル名からフルパスを作成しましょう。
既にフォルダパスとファイル名は変数の中に初期値として用意しているので
「文字列結合」のライブラリを使用することでフルパスにできます。
文字列結合についてはこちらの記事で詳細に解説しています
②ファイル名入力欄の選択
ダイアログを開いたときには、既に入力欄がアクティブになっていますが
フォーカスが外れてしまったときのためにファイル名入力欄をエミュレーションで選択しましょう。
ショートカットは「Alt + N」です。
③デフォルトのファイル名を全選択
こちらもファイル名入力欄が選択された時に、既に入力されているファイル名が選択されている状態になりますが
念のために全選択のショートカットを入れておきましょう。
元々入っている文字が残ってしまうと保存ができなくなってしまいます。
ショートカットは「Ctrl + A」です。
ファイル名が選択されている状態
④クリップボードにフルパスを格納
次の図のようにプロパティを設定し、クリップボードに変数の値を入れます。
こうすることにより、フルパスをコピーした時と同じ状態になります。
⑤フルパスを貼り付ける
クリップボードにフルパスを設定したことによって、貼り付け操作でフルパスを入力することができます。
ショートカットは「Ctrl + V」です。
元々入力されていたファイル名は全選択されているため、貼り付け操作によって上書きされます。
ここまでの操作で、ファイル名入力欄にきれいにフルパスだけが入力された状態になります。
⑥保存する
保存はEnterキー等の方法がありますが、ショートカットで実行しましょう。
ボタンには「保存(S)」と書いてありますので、ショートカットは「Alt + S」となりますね。
これでファイルが任意のフォルダに、任意のファイル名で保存されました。
どうじゃ?簡単じゃったろう?
一応全体像も載せておこう。
これすごいですね!僕も試しましたけど、動作も高速でした!
マッチングも不要で安定性まで向上するなんて最高の小技ですね。
うむ。しかもウィンドウ識別名が「名前を付けて保存」で変わらないから
他のアプリケーションでこのダイアログを使うときにも流用できるのじゃ。
サブルーチン化しておくと便利かもしれんな!
今回はまさに革命の回でしたね!
それでは次回もお楽しみに!
おぬし革命好きじゃな・・・
って勝手に締められとる!!
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