【第34回】ロータス博士のWinActor塾~ストーリーボードⅡ
シナリオポッドとは
ストーリーボード編の続きじゃ。
今回はシナリオポッドについて説明した後、シナリオを作成してみよう。
前回の記事を読んでいない方はこちらから
シナリオポッドとは、シナリオを構成する処理のことです。
WinActorのノードと同様の役割をします。
WinActorストーリーボードでは、このシナリオポッドを組み合わせてシナリオを作成します。
シナリオポッドの配置
編集エリアにポッドをドラッグ&ドロップすることで、次のようにポッドが配置されます。
下図では例としてポッドアイコンエリアから「ダイアログ」を選択し
ポッド選択エリアの「メッセージの表示」をドラッグ&ドロップで配置しています。
WinActorのように開始や終了、矢印での接続はありません。
この状態で既にシナリオに組み込まれています。
WinActorではノードを配置するとき、開始と終了の間に置いたのう。
フローの外側に置くと開始と終了に繋がらず、実行されないノードになったじゃろう。
実行されないものを「浮きフロー」と呼びましたね!
うむ。じゃがストーリーボードでは浮きフローというものは存在しない。
編集エリアにポッドを置くと、自動的に全て繋がり実行対象になるのじゃ。
ここもWinActorと違う部分じゃな。
シナリオポッドの操作
シナリオポッドを配置すると、ポッドの右上にアイコンが表示されているのがわかります。
ここではアイコンの使い方について簡単に解説します。
シナリオポッドヘルプ表示
各シナリオポッドにはそれぞれ固有のヘルプ項目があります。
シナリオポッドの「ヘルプアイコン」をクリックすることで、ヘルプ項目の表示/非表示が切り替わります。
※ヘルプアイコンが表示されないシナリオポッドにはヘルプ項目がありません
クリックすることでヘルプが表示されます。
これはWinActorのノードのプロパティにある注釈タブと同様の機能です。
シナリオポッド設定項目(プロパティ)
各シナリオポッドには、それぞれ固有の設定項目(プロパティ)があります。
「プロパティアイコン」をクリックすることで 、設定項目の表示/非表示が切り替わります。
※プロパティアイコンが表示されないシナリオポッドには設定項目がありません。
クリックすることで設定項目が表示されます。
WinActorのノードのプロパティにある設定タブと同様の機能です。
シナリオポッドの動作の細かい設定はここで行います。
シナリオポッドの削除
シナリオポッドを誤って配置してしまった場合は「削除アイコン」をクリックすることで削除できます。
削除アイコンをクリックすると以下の確認ダイアログが出ます。
OKを選択すると削除されます。
シナリオポッドのエラーについて
シナリオポッドには必ず設定しなければいけない設定値を持つものがあります。
このようなポッドを配置して、必須項目が空の状態の場合、ポッドの色が赤くなります。
このようなポッドがシナリオ内に存在するとエラーとなり、シナリオが実行できません。
ポッド内に表示されているエラー原因を確認して、適切な設定値を入力しましょう。
実践!エクセルを操作するシナリオ
やりたいこと
・エクセルファイルを開く
・セルの内容をコピーして別のセルへペーストする
・ループで何行か繰り返す
それでは始めよう。まずはエクセルファイルの準備じゃ。
シナリオ作成に入る前に以下のようなエクセルを準備して保存しておこう。
どこに保存してもよいが、場所は覚えておくように。
保存する名前も自由に決めておいて問題ありません。
この例では「ストーリーボード.xlsx」として保存しています。
今回のシナリオではループ処理を用いて、A列の情報をE列にコピーしていきます。
エクセルを開く
まずは準備したエクセルファイルを開く処理を作成します。
ポッドアイコンエリアから「Excel関連」のアイコンを選択し、ポッド選択エリアの「開く」を
シナリオ編集エリアへドラッグ&ドロップします。
配置した直後は設定項目に何も入力されていない状態のため、ポッドがエラーを示す赤色になっています。
それでは設定項目に値を入れていきましょう。
プロパティアイコンをクリックして設定項目を表示してください。
プロパティアイコンをクリックすると設定項目が表示されます。
このポッドの設定項目は「ファイル名」の1つだけです。
ファイル名の右端にあるフォルダのアイコンをクリックすると、ファイル選択のダイアログが出現します。
あらかじめ準備しておいたエクセルファイルを選択してください。
ファイルを選択すると、ファイル名にパスが入力されてエラー表示もなくなります。
ループを作成する
続いて、ループ処理をするためのポッドを追加します。
Excel関連の「縦方向繰り返し」をドラッグ&ドロップで一番下にくるように配置します。
配置できたらプロパティを開き、設定項目を埋めていきましょう。
「Excelファイル」の項目のプルダウンをクリックすると、手前のポッドで設定したエクセルファイルが現れます。
そのままこのファイルを選択しましょう。
これがストーリーボードのすごいところじゃな!
普通のWinActorは変数にファイルパスを入れて設定して…という感じじゃが
ストーリーボードには変数というものがない。
シナリオで使ったファイルなどはこうして自動的に選択できるようになるのじゃ。
なるほど、変数を使わなくてもストーリーボードが自動で情報を保持してくれるんですね!
これはなかなかに便利かも…。
残りの項目は繰り返し範囲の設定です。用意したエクセルファイルをもう一度確認してみましょう。
転記の対象となる行は2行目~5行目であることがわかります。
開始行に2、終了行に5を入力しましょう。
最終的にプロパティは以下のようになります。
ループ内の処理
今回繰り返すべき操作はコピーとペーストになります。
A列からE列へのコピーを行数分繰り返すことで、表が全て埋まります。
それでは、まずA列のセルをコピーするポッドを配置しましょう。
ループのように、自身の処理中に他のポッドの処理を行うような親子関係を持つポッドは、下側が口のように開いています。
この開いている部分にポッドをドラッグ&ドロップすることで、ループの中に処理を作ることができます。
「縦方向繰り返し中の値取得」を図のように配置してみましょう。
うまく配置できると、ループのポッドの中に値取得のポッドが入ります。
これでコピー操作がループの中に入りました。
今回はペーストの操作も行うので、続けて「縦方向繰り返し中の値設定」もすぐ下に入れてしまいましょう。
それぞれプロパティを見てみると
シート名に「Sheet1」、列に「A」がデフォルトで入力されています。
操作するのはSheet1なのでどちらも変更なし。
コピーする列はAですが、貼り付けたい列はEなので「縦方向繰り返し中の値設定」のプロパティを変更します。
列を「E」にしておきましょう。
このように設定されていればOKです。
Excelファイルの保存
ファイルを操作したら保存をしないと意味がありません。
ループの後ろ、シナリオの一番最後にExcelを保存するためのポッドを追加します。
プロパティの設定項目は1つだけ、プルダウンから今回使用しているエクセルファイルを選択するだけです。
シナリオを実行しよう
シナリオの全体像は次のようになりました。
同じようにシナリオが作成できたら、実行してみましょう。
画面右上の再生マークボタンを押すことでシナリオを実行できます。
結果はこちら。
うむ!きれいにシナリオが動いていたようじゃな!
ストーリーボードはこのような簡単なシナリオを瞬時に作成できる。
興味があれば他のポッドも見てみるとよいぞ。
変数や他の設定もなにも考えずに作ることができました!
ポッドを置いてプロパティを埋めるだけでここまで動くなんて、お手軽ですね。
うむ、じゃがお手軽ゆえに複雑なシナリオ作成には向いていないのが本当のところじゃ。
これで簡単なシナリオを作成して、フローの構築に慣れてきたら
通常のWinActorも使えるように頑張ろう!今回はここまでじゃ!
関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。
2024.11.05
【第105回】ロータス博士のWinActor塾~新しい画像マッチング画面
2024.09.27
【第104回】ロータス博士のWinActor塾~ガイド利用シナリオ(作成編)
2024.09.10